閉じた自分のまま、聴いていないか。
自分を開いて聴く。それを、開聴と呼ぶ。
1on1で、部下が「最近、チームの雰囲気がちょっと……」と言う。「いつから?」「誰と誰の間で?」と聞き返す。ここで問いたいのは——その質問は、誰のために聞いていますか?
自分が状況を把握して問題を解決するために聞いているのか。相手が、自分自身の状況を見えるようになるために聴いているのか。同じ言葉でも、意識の向きがまるで違います。
この違いに気づき、意識を相手に向け直す。相手が、相手自身を理解するために聴く。それが開聴です。
開聴は、傾聴を否定しません。深く耳を傾けるその先で、聴き手自身がひらいているか——そこに、もう一つの問いを置くものです。
「嫌なんです」——その「嫌」を、わかったことにしない。「どう嫌なの?」と問うと、本人も見えていなかった気持ちの輪郭が立ち上がる。
「何度言っても部下が動かないんです」——問いを重ねていくと、「動かない」の中身が見えてくる。いつ、どの場面で、何が起きているのか。そしてもう一歩ひらく。動かない部下を創り出していたのは、自分の恐れだった。
聴き手がひらけば、語り手もひらく。二人のあいだに流れが生まれ、一人では見えなかったものが見えるようになる。開聴は、人と人とのあいだに起こる。
人と人とのあいだに、いのちが流れる。
一人ひとりがいのちを生ききる組織・社会を。
かつて私は、「聴けない人」でした。上司からも部下からも「人の話を聞いていない」と言われていた。自分ではちゃんと聞いているつもりだったんですが…。
転機は、25年前。コーチングのワークショップの初日。トレーナーがこう言ったんです。「人の話の聞き方には二つあります。事柄に焦点を当てる聞き方と、人に焦点を当てる聞き方です」——この一言で、全身に衝撃が走りました。私は事柄を聞いていた。でも、人を聴いていなかった。
以来、聴くとは何かを問い続け、二十年以上にわたって研修や書籍を通じて伝えてきました。開聴は、その探求の結実です。
「聴いているつもり」から抜け出し、1on1の質を根本から変える実践型プログラム。
リーダーが自らの聴き方を問い直し、チームとの関係の質を土台から立て直す。
コミュニケーションのミスはなぜ起きるのか。「聴く」と「伝える」の質を変え、ミスを根本から減らす。
経営者・リーダーが、自らの前提と恐れにひらいていくための、一対一の伴走。
開聴、仕事のミスがなくなる頭の使い方、AI×人間のハイブリッドコーチングなど、幅広いテーマで。